社内でWEB担当になったもののWEBサイト運営のやり方がわからない、未経験だがこれから挑戦してみたいという方へ。
WEBサイト運営の基本業務や運営のやり方、必要な知識やスキル等について、自社WEBサイトの運営経験やWEB業界でのサイト制作・運営経験をもとに解説します。
WEBサイト運営とは
WEBサイト運営とは、新たなコンテンツの追加や最新の情報に更新するなどWEBサイト訪問者にとって有益な情報の発信をすることで、自社の目的に対し機能するWEBサイトになるように管理する業務です。
例えばコーポレートサイトでのTOPICSをはじめ新規コンテンツやブログの更新、ECサイトであれば商品情報の追加など、日々価値ある情報を届けることで信頼性を深めたり販売手段としての成果を上げるなどの活動を行います。
WEBサイト運営が重要な理由
サイトコンテンツを公開した時点では最新情報でも、時間の経過と共に情報鮮度が低くなったり修正が必要になるケースがあります。
仮に更新の必要性がない場合でも新しいコンテンツがない、またはTOPICSなどの更新頻度の低いWEBサイトはユーザーにとっては魅力に欠け放置することで再訪される可能性が低くなると考えるのが自然です。
また、Googleは良質なコンテンツの追加などサイトの更新頻度をSEOの評価指標の一つとしており、WEBサイト運営業務は重要な役割を担います。
WEBサイトは制作し公開したら終わりではなく、PDCA(Plan→Do→Check→Action)をまわすスタートとして位置づけ、WEBサイト運営をしっかり行うことで目標を達成する、そのための重要な業務となります。
マーケティングや広報手段としてのWEBサイト運営
WEBサイトにはマーケティング手段としての役割や広報手段としての役割などがあり、役割と連動したWEBサイト運営業務が発生します。
見込み顧客であるリード(lead)を獲得するリードジェネレーションと、獲得したリードを成約へ向け育てあげるためのリードナーチャリングなどWEBサイトを顧客獲得へ向けたマーケティング手段として活用するためのWEBサイト運営業務があります。
リードジェネレーションのオンライン手法として、SEO(検索エンジン最適化:Search Engine Optimization)による自然検索流入、リスティング広告やSNSの活用による流入などが手法として挙げられ、WEBサイト運営のやり方の一部として把握しておきたい手法です。
問い合わせや成約獲得へ向けたリードナーチャリング手法としては、獲得したリードに対しメールマガジンを配信したり、分類した見込み客グループごとにメールマガジンの内容を分けて配信するターゲティングメール、サイトを訪問したことのあるリードに広告を表示させるリターゲティング広告などがあります。
リードジェネレーションからリードナーチャリングの流れの中で、各種オンライン手段を連携し成果を高める領域もWEBサイト運営者の業務範囲に含まれ、社内で対応できない場合は外注先のハンドリングなどを行うことになります。
また、企業として顧客や見込み客、株主、外部委託先企業、社員をはじめとするステークホルダーへ情報を伝える広報の役割もWEBサイトにはあり、プレスリリースやIR情報配信をはじめ会社の顔としてのWEBサイト運営を行う必要があります。
WEBサイト運営といってもマーケティング目標達成のための運営や広報手段としての運営などがありそれぞれに専門の担当者を配置する、全てを担当するなど企業により対応は異なります。
WEBサイト運営担当者の仕事内容
WEBサイトの更新など運営業務についてお伝えしましたが、より具体的に解説します。
WEBサイトに公開されたコンテンツに対するユーザーの反応などを分析、課題を把握し改善を行うなどPDCAをまわす必要があり、特に問い合わせや成約などに向けたマーケティング手段としての運営業務の場合重要です。
WEBサイト分析と課題の把握
GoogleアナリティクスやGoogleSearchConsoleなどの分析ツールを活用しWEBサイト内全ページの状況(クリック数・滞在時間・流入キーワードなど)を定点チェックを行い把握します。
コンテンツの企画
分析の結果を踏まえユーザーの情報ニーズに沿ったコンテンツを作成したり、既存コンテンツのリライトを行うことで他社の競合記事より上位表示をさせるなどより流入を増やす施策を行います。
BtoBサイトの場合は営業部門と方向性の確認の上コンテンツを企画する必要もあり、企業により進め方は異なります。
SNSの運用を行うなどリード獲得への接点を増やすためのコンテンツ施策も行います。
コンテンツの投稿
社内の戦略に沿ったコンテンツを作成後は、サイトへコンテンツの投稿を行います。
WEBサイトの構築方法によりHTMLやCSSなどコーディングの専門知識も必要となりますが、ワードプレスをはじめとするCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)のように専門知識がなくても投稿が可能なツールで構築されている場合、テキスト原稿と画像データなどを用意すれば容易に投稿が可能となっています。
ここまで主なWEBサイト運営のやり方をご紹介しましたが、身に着けて置くことがベターなスキル・資格をお伝えします。
WEBサイト運営に必要なスキル・知識
- マーケティング知識
- WEBライティング
- SEO
- SNS
- リスティング/ディスプレイ広告
- アクセス解析
- データ分析
- 情報収集力
- デザイン/コーディング
- CMS(コンテンツマネジメントシステム
- ディレクション
- コスト管理
- サーバーなどインフラ知識
- 費用感(サーバー/ドメイン/SSL/制作費)
- 進行管理能力位
- コミュニケーション力
WEBマーケティングだけでなくマーケティング全般の知識があるとより全体を俯瞰して施策に取り組むことができます。
WEBマーケティングの中の手法としてのSEO(検索エンジン最適化)、更にSNSやリスティング/ディスプレイ広告、アクセス解析など施策の実施から分析までを行う上で必要です。
コンテンツの追加や情報更新を行う上で、CMSだけでなくデザインやコーディング(HTML/CSS)技術や知識、サーバー・ドメイン・SSL等インフラまわり知識、これらの費用感を踏まえたディレクション・進行管理力、社内外とのコミュニケーション力があると全体のハンドリングがスムーズになります。
WEB運営におすすめの資格
SEO検定
SEO(検索エンジン最適化)を踏まえ構築されたWEBサイトは狙ったキーワードで検索上位表示され、低コストでの新規客の集客が可能になります。
SEOの成果を上げるためにはまず基礎を学び実務経験を積むことが重要で、WEBサイト運営の勉強をSEO検定資格取得を目標にすると励みにもなります。
一般社団法人全日本SEO協会認定のSEO検定は1級から4級まであるため、初心者・中級者・上級者と自分のレベルに合わせ検定を受けることが可能となり、詳細は下記を確認してみてください。
WEB解析士
WEBサイト上のユーザーの行動はアクセス解析を行うことで数値として確認することが可能です。
サイト改善やコンテンツ企画を行う際の重要なデータとして活用ができWEBサイトを通じ事業の成果に貢献する、それがWEB解析士です。
データを読み解き、適切な判断と共にWEBサイト運営を行うために事業会社のWEB担当者はもちろん広告業界やWEB業界からも多数資格を取得しています。
WEB解析士の詳細はリンクを参照ください。
一般社団法人ウェブ解析士協会:WEB解析士
マーケティングビジネス検定
マーケティング全般を理解した上でWEBマーケティングに取り組むことで全体を俯瞰してWEBサイト運営に取り組むことができます。
SEOやWEB解析をさらに上の組織レイヤー視点で行うことにもつながります。
国際実務マーケティング協会主催のマーケティングビジネス実務検定はA級・B級・C級とレベルごとに検定が分かれているため実力に合わせ検定を受けることができます。
WEBサイト運営の流れ
WEBサイトの目的を理解する
サイト制作の段階で明確に設定されたWEBサイトの目的を一番はじめに理解します。
営業手段としてなのか、自社のブランディングのためなのかなどを踏まえ、目的に合ったコンテンツ制作や情報発信の準備を行います。
ターゲットを明確にし情報ニーズを把握
サイトの目的を踏まえターゲットを明解にし、ターゲットの情報ニーズの把握を行います。
アクセス解析を行い自社コンテンツ各ページの流入数や検索クエリ(キーワード)などを確認することである程度の傾向を把握できますが、あくまでも過去に自社が投稿したコンテンツの範囲内に限定されてしまうため仮説を立てターゲットの情報ニーズを探ってゆくことになります。
コンテンツ制作
広報としての情報発信や基本情報の更新は最低限行わなければなりませんが、ターゲットの情報ニーズを踏まえ新規コンテンツを企画し制作します。
過去の流入キーワードも参考にすることはできますが、新しいキーワードを模索しリードの獲得を目指すことでWEBサイトが成長し同時に運営者も成長します。
また、コンテンツを企画・制作する上でWEBのサイト構造は理解しておく必要があります。
サイト構造はツリー状で構築することが基本となり、各カテゴリーの配下に詳細ページを構築します。
コーポレートサイトはもちろん、ブログもツリー状(親子)の関係にリンクを貼るのが理想です。
コンテンツの実装
制作したコンテンツをサイトに反映しますが、WEBの構築方法により方法が異なります。
ワードプレスをはじめとするCMSで構築されたWEBサイトの場合は、専門知識がなくてもテキストと画像を比較的簡単に投稿することが可能になりました。
HTML/CSSで構築されたWEBサイトの場合はコーディング技術のあるメンバーもしくは外部の制作会社などに依頼することになります。
公開前チェック・公開
サイトの構築方法に限らずサイトの更新や新規コンテンツを追加の場合、いきなり本番化(公開)するのではなくプレビューなどテスト環境にアップし事前に社内で確認をとります。
内容の確認と同時にデザインが崩れていないか、不自然な改行がないかなどビジュアル面での確認も行った後公開を行います。
サイトの分析・改善
コンテンツの公開後、週次・月次・四半期ごとなど定期的をサイト分析を行いPVや流入数、CV(コンバージョン:資料請求・問い合わせ・購買)数を確認します。
※コンバージョンはGoogleアナリティクスの設定が必要となります。
WEBサイトだけでなく、ソーシャルメディアやメルマガの反応も同様です。
WEB運営を行う上での体制
大まかにWEBサイト運営のやり方について解説しましたが、事前に社内でサイト運営体制について確認し役割分担を決めておきます。
WEB運営担当を複数名配置できる企業であれば業務分担し自分の担当領域に専念できますが、他の業務と兼任の場合には外部へ業務を依頼する必要があります。
どこまでを社内で行いどこまでを外注するのか、役割を事前に決めてサイト運営を回してゆきます。
外注の予算が確保できない場合は、対応可能範囲を社内で共有し共通認識のもとサイト運営を行い成果を踏まえ今後についての検討をお勧めします。
PDCAをまわす
WEBサイト運営を行う上で目標設定をし、達成度合いを確認します。
会社の売上目標に対しリードがどのくらい必要なのか、そのために必要な毎月のPVや流入数、CV数に対し現状の数字を確認し達成できていなければ課題を把握し改善を行うなどPDCAをまわします。
WEBサイトは公開後からPDCAをまわすスタートとなり、成果が上がるように継続してWEBサイト運営業務として行います。
WEBサイト運営未経験者はどこから手をつければよいのか
WEBサイト運営のやり方について解説しましたが、知識も必要ではあるのですがまずは何かしら経験を積むことで実感できる部分が必ずあります。
TOPICSなどの情報更新は比較的投稿作業として軽めで、アクセス数の確認もできるためお勧めです。
テキストの投稿に連動し、ページタイトルやdescriptionといったタグ関係のつけ方も学べます。
テキストを自分で作成するところからはじめ、徐々にブログコンテンツの企画と記事制作など幅を広げるとスムーズに慣れることができます。
まとめ
WEBサイト運営のやり方といっても、コーポレートサイトやブログ、ECサイトなどにより内容は異なりますが基本的な部分は同じです。
BtoBサイトの場合営業部門の方針に連動し、BtoCサイトの場合はWEBサイト運営部門が主導権を持って戦略を練り進めるケースが多くなります。
社内でWEB担当になって運営のやり方が分からないという場合でも、サイトの目的を理解しターゲットを踏まえたコンテンツを企画・制作しPDCAの経験を積むと同時に、資格取得などを行うことで知識と共に社内で活躍の場が広がります。
また、WEBの技術は日々進化するため情報収集など継続した勉強をおすすめします。
この記事が参考になれば幸いです。