中小企業にとってDX(デジタルトランスフォーメーション)というとハードルが高く難しいと考えられていないでしょうか。
社内にIT人材もいないしDXをどこから手をつければいいのか、、など。
まず社内の紙文化を廃止することで中小企業のDX化は大きく前進します。
IT業界でのクラウドを活用したDX推進経験を踏まえ中小企業のDX化について解説します。
紙文化をやめることから始まる中小企業のDX化
今や中小企業でIT導入していない会社は皆無ですが、紙を介した社内業務フローとはなっていないでしょうか。
紙によるフローだと業務はまわるものの生産性が低く、DXを推進できないだけでなくデジタル化を実現し生産性を向上している企業との開きは今後益々広がってゆきます。
営業面では契約を獲得する過程や取引を行う上でもデジタル化未対応により業務に支障が出ることも考えられます。
デジタル化は企業規模に関わらず求められる対応
デジタル化には予算や時間が必要な上、全社的にデジタル化後の業務に慣れるまでに時間も必要となるため対応を避けれらる中小企業もありますがメリットの方が多く、逆に今取り組まないとDX化だけでなくビジネスの流れについて行けなくなります。
DXを実現するためにはデジタル化がベースとなり、これからの時代生産性の向上や業務の効率化を推進するために企業規模の大小を問わず求められる対応となります。
営業面で言えば、契約先からオンライン取引を求められてからのペーパーレスの準備では、せっかくの契約を逃すことにもなり兼ねません。
デジタル化を新型コロナウイルスによる働き方の変化を機に推進された中小企業も多くあります。
経験して初めて理解できること
リモートワーク普及にあたり、主に下記のクラウドサービスがオンライン会議などを一般的なものにしました。
- GoogleWorkspace(旧G Suite)
- Teams
- zoom(オンライン会議のみ)
ビデオ会議だけでなくドキュメントを共有ドライブでシェアする機能等もあり、紙でやり取りしていた書類をデジタル化することでリモートワークを手軽に行うことも実現し中小企業の利用も広がっています。
取引先が紙の書類を郵送してくる場合等は出社しPDF化しドライブ内で共有するという業務は発生しますが紙の書類は一切受け付けないなどが一般的となればこれらの業務もなくなりDX化の基盤が強固となります。
社内の基幹システムへのアクセスはVPN(バーチャルプライベートネットワーク:専用回線)によりリスク軽減ができるため在宅勤務が普及しました。
新型コロナウイルスを機に出社しなくても業務はできることを社会が認識(業界により)したため、益々中小企業のデジタル化対応は避けて通れません。
これらのクラウドサービスの利用を経験した企業は、デジタル化を進めることで得られる効率性について改めて理解が深まり、オフィス面積の縮小による家賃の削減などDX化を実現し始めています。
また先に挙げたサービスの中には一括検索で目的のドキュメントやメールを探す機能(契約内容による)があり日頃の作業時間の削減が可能でデジタル化のメリットを肌で感じることができています。
手書き書類をスキャンしたPDFシートを検索で読み込むためにはOCR(スキャン画像から文字を認識・テキスト変換)機能のあるシステムで対応する必要がありますが、業務で多くの時間に割かれているドキュメントを探す作業時間の削減など紙からデジタル化する大きなメリットを享受することができます。
GoogleWorkspaceの無料版もありますが、リモートワークには法人向けに多様な機能が装備された有料版をお勧めします。
料金参照サイト
これらのサービス導入をはじめ、DX推進へは中小企業経営者の意思が重要となります。
DX化には中小企業経営者の意識と現場社員の経験を通じた浸透が必要
紙を介した業務フロー廃止に踏み切れない中小企業経営者の場合、社内のデジタル化が推進されずDX化は進まず世の中から取り残されます。
紙だけでなく電話、FAXなど昭和の文化は一切廃止し(緊急時を除く)、SlackやChatWorkなどのコミュニケーションツールを導入する。
DX化を推進し世の中に価値提供する、会社が存続できるかを左右するのは中小企業経営者の意思如何によります。
極端な話をしているわけではなくこれらのツールの活用は世の中の流れとなっており、分かりやすい例として最近クラウドサービスやデジタルツールなどのテレビCMをよく見かけるようになりました。
広告は社会を映す鏡と昔から言われてきましたが、CMを情報源としたビジネス感度のアンテナを立てているでしょうか。
クラウド活用をはじめ業務フローのデジタル化などIT導入はDXの基盤作りであり、IT化とDXは別物となります。
単にITを導入することとは異なり、DXはIT技術を活用して新しい商品・サービスを生み出し消費者の生活を向上させたり、ビジネスモデル・組織、社会の変革を実現するということになります。
社内の紙文化(昭和文化)を廃止しデジタルをベースに社内業務フローを再構築する、DX化へ中小企業経営者にはこの判断と対応が求められます。
バックオフィスをはじめ全社的にクラウドサービスを導入し、全社員がデジタルツールを使いこなすデジタル人材となりクラウドサービスに関する理解不足を解消してゆく。
全社にデジタルを浸透させクラウドサービスを使いこなし、自社の新しい商品・サービスが消費者の生活を向上させる発想ができるよう全社員をDX人材に変えてゆくことで中小企業のDX化は実現できます。
DX推進のメリット
ビデオ会議などを可能にしたクラウドサービスも組織や社会を変革しDXのひとつとなりますが、導入企業としてのメリットを挙げてみます。
- 出社が必要なくなりオフィス家賃の削減
- 通勤定期代の削減
- 遠方在住の優秀な人材採用が可能
- ビデオ会議による移動時間や出張費の削減
費用対効果を考えれば採算的には合う中小企業も多いはずです。
DXは新しい価値創造により消費者の生活の向上や組織・社会に変革をもたらすことです。
自社商品・サービス開発で社員が発想を変え新しい価値創造ができれば自社商材のDX化も可能であり、そのためにもまず社内の業務フローを設計し直すことから始める価値はあるはずです。
まとめ
紙による業務フローや電話・FAXなど昭和文化が社内に根付いている中小企業はまだ多く、これらを廃止しデジタル化するところから始めることでDX化は大きく前進します。
企業規模の大小に関わらず中小企業にもDXが求められており対応しない企業は淘汰される危険性があり今から手を付ける必要があります。
DXの実現には中小企業経営者の意思が最も重要で全社にデジタル化を浸透させることで組織変革につながります。
まず低予算でできることから始める、その上でリモートワークの実現はしたい、共有ドライブで社内ナレッジの共有も可能な上、ノウハウの属人かからの脱却も期待できる。
そのためには社員宅のリモートワーク環境を整備するため毎月リモート手当などを支給し通信環境を用意することは大前提。
オフィスの賃貸費用や出張費、定期代の削減効果もあり遠方在住でも自社に必要な人材の採用も可能になるなど中小企業にとってメリットも。
デジタル化を経験し社員がDX人材に変わることで世の中に必要とされる商品・サービスの提供などビジネスモデルの変革につながります。
この記事が中小企業のDX化の参考になれば幸いです。