デジタル化が進む中、競争力向上へ社員のITパスポート取得率アップを目指す企業のニュースを目にするようになりました。
就職・転職に限らず、デジタル時代のビジネスマンにとって、ITパスポートは取得しておきたい代表的な資格となっています。
ITパスポートは、ITの基礎知識にとどまらず経営や管理の仕事など幅広く学ぶことができる国家資格で、IT業界で働く人に限らず一般的な資格として普及し始めています。
取得をおすすめする理由や、合格するための勉強方法、必要な勉強時間、取得後のステップなどについて解説します。
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初心者のITの資格ならITパスポート
ITパスポートは、IT資格試験の中で最も難易度が低く初心者向けの資格です。
ITパスポートの出題範囲は、企業活動や法務、経営戦略、システム戦略など経営に関するストラテジ系、開発技術やプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなど管理の仕事に関するマネジメント系、コンピュータの基礎理論やコンピュータシステム、技術要素などテクノロジ系が出題範囲となっています。
経営や管理の仕事領域についても問われる内容となり、テクノロジをどのようにビジネスに役立てるかなどの勉強にもなりIT初心者の資格としておすすめです。
ITパスポートは国家資格
ITパスポートは、情報処理推進機構(IPA)が実施し、経済産業省が認定する日本の国家資格で、ITに関する基礎的な知識を身につけたことを証明するものです。
<公式サイトによる説明>
iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
ITパスポートの試験費用は7,500円(税込み)でとなっており、試験は随時行われています。
受験希望の試験会場を選択し、希望する試験日時に空きがあれば申し込みが可能。
試験開催状況一覧より確認ができます。
合格ラインは、総合評価点が1000点中600点以上、分野別評価点が1000点中300点以上で試験終了と同時に画面で結果が表示され合格基準をクリアしているかの確認ができます。
正式には試験を受けた翌月15日前後にIPAのWEBサイトにて発表されます。
ITパスポート取得をおすすめする理由
ITの基礎知識プラスアルファを身につけることができる
デジタル社会で仕事をする上でのITの基礎知識を学ぶ機会となる上、ITを正しく活用するための個人情報保護やモラルについての認識を高めることができます。
近年IT領域のセキュリティに対する技術スキルニーズは高まっており、セキュリティについての認識を高めることにも役立ちます。
生産性向上が求められる時代の基礎知識習得
日本は世界に比べIT導入による生産性の向上に遅れをとり、企業内でクラウドをはじめテクノロジー活用による生産性の向上は必須となっています。
その入口である基礎を幅広く学ぶことでこれからの時代に対応した人材としての知識を習得することができます。
IT人材不足時代への準備
IT人材への需要は高く、自社内にIT担当人材を配置できない企業も多くあります。
社内の問題を発見しITによる解決を実現できる人材へのスタートとなる基礎知識を身につけることができます。
将来的にIT業界への就職を考えている学生や、もし転職が必要となった際に知識を証明できる資格です。
デジタル上でビジネスが完結する時代
業務での紙文化を廃止し、オンラインで仕事が完結する流れが急速に進んでいます。
コロナをきっかけにリモートワークが普及し、同時にクラウド上で業務を完結する業務フローに企業は移行しました。
オンライン上での各業務を完結するサービスが次々に生まれ、ビジネスの生産性を上げることができない企業は今後淘汰される可能性があります。
ビジネスパーソンとして時代の流れに対応できるIT知識は必須となっています。
ご自身の日常生活を考えるとイメージができるかと思いますが、食事や買い物で現金を使う機会は減っているのではないでしょうか。
経済がデジタル上で完結する時代へ変化し、変化へ対応するためには自社のビジネスや業務フローの変革が迫られる時代となっています。
ビジネスパーソンにとってITの基礎知識と共に自社の課題を抽出し変革できる能力が求められるケースが増加するのではないでしょうか。
ITパスポート取得への勉強法
ITパスポートの合格率は約50%となっており、比較的合格しやすい資格だといわれています。
試験日を設定し、集中して効率よく勉強することで合格の確率は高まります。
書籍で勉強する
一般的な勉強方法としてITパスポートの書籍が挙げられます。
自分の例でお伝えすると、ITパスポートの書籍を3回読みました。
1回目はざっと全体を理解する程度に読み込み、2回目は理解を深めるために少し時間をかけて読み込みました。
その後、IPAのCBT疑似体験ソフトウェアを活用し、実践に近い問題を解き不正解箇所を重点的につぶしてゆきました。
不正解箇所を中心に読み込むという形で3回目を読み込みました。
限られた時間での勉強でしたので、必ず1回で合格するつもりで集中し書籍を読み込みました。
学習サイトを活用する
忙しい、自分で集中して勉強が難しいという場合はオンラインでの学習方法もあります。
オンラインで学べる学習サービスの一例をご紹介します。
- スタディング
- スマホとパソコンで資格学習
有料講座受講者20万人を突破した、代表的なオンライン資格講座。
資格の学校TACのノウハウが凝縮された講義ムービーや、過去問を徹底分析した問題演習機能を踏まえ月額1078円の講座。
インプットとアウトプットを繰り返す
自分の経験からお伝えするとアウトプットを行うことで記憶が定着しましたし、書籍にしろ、学習サイト活用にしろインプットとアウトプットをバランスよく行うことをおすすめします。
問題集を解きアウトプットを行い、間違えた箇所を再度インプットする、その中で正解以外の選択肢についても理解しておくと本番のテストで同様の選択肢が出た際に誤回答だと瞬時に判断しやすくなります。
ITパスポートの必要勉強時間
ITパスポートの勉強時間は、初心者で約100時間程度と言われています。
月〜金曜は毎日3時間、土日はそれぞれ5時間で1ヶ月程は必要になります。
ITの基礎知識がある方であれば個人差もありますが、出題範囲や傾向を理解すれば毎日3時間の勉強を2週間くらいでもよいかと思います。
集中して隙間時間を活用しながら効率的な勉強が重要です。
ITパスポートを取得後に目指す資格
ITパスポートを取得したら、自身の方向性に合わせさらに他の資格に挑戦することをおすすめです。
ITパスポートを取得することで、情報処理技術者試験の応用情報技術者試験や、ネットワークスペシャリスト試験などの上位資格への受験資格を取得など。
ベンダー資格
また、近年様々なアプリやWEBシステムがクラウドを活用し構築され、ベンダー系の資格もおすすめです。
パブリッククラウド領域ではAmazonのAWSやMicrosoftのAZURE、Googleが提供するGoogleCloudなどそれぞれの資格があります。
まとめ
デジタル時代に活躍するビジネスパーソンにとってIT領域の基礎知識は一般的なものとなっており、ITパスポートの受験者数は右肩上がりの状況です。
※参照:ユーキャン
クラウドの活用によるビジネスの変革、生成AIの登場などITは従来のビジネスを一変させています。
必要最低限の知識を得るための勉強のスタートとしてITパスワードを活用してみてはいかがでしょうか。