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対話型AIの到来とSEOへの影響【ChatGPT・Bard・Bing】

対話型AIの到来とSEOへの影響

ChatGPTやBard、Bingなど対話型AIに関するニュースを目にする機会も増え実際にユーザーも激増中。

対話型AIのSEOへの影響は?、検索の仕方やアクセス数の獲得など変化への対処はどうすればよいか、と悩まれることもあるのではないでしょうか。

2023年5月にGoogleは検索にAIを組み込むサービス※SGE(Search Generative Experience)を発表し、今後検索領域はさらに変化が見込まれます。

これからの時代のSEOを考える上で、AIを使い倒し変化へ対応することをおすすめします。

※SGE参照:Supercharging Search with generative AI

AI以前には戻らない

ChatGPTをはじめとする対話型AIのユーザーが激増し、国としてもAI活用へ環境整備を進めると報道される中、AI活用は企業にとっても必須となるのではないでしょうか。

ChatGPTやBard、Bingなど対話型AIでプロンプト(AIへの指示や質問)を適格に行うことで回答を素早く得ることができ、様々な業務で生産性の向上に役立ちます。

従来のネット検索へも影響が考えられ、SEO領域も変化してゆくのではないでしょうか。

これまで検索上位表示された複数のサイトの中からユーザーは自分に必要なコンテンツを選択し行動へ移していましたが、対話型AIの登場が従来の検索結果表示一覧をベースにしたSEO領域にも多大な影響を与えると思われます。

例えば、これまで横浜の引っ越し業者を検索で探すことを想定した場合「横浜 引っ越し会社」というキーワードで検索し上位表示されたサイトひとつひとつ閲覧し自分に合った会社を選ぶという行動をしていたと思います。

対話型AI、ChatGPT・Bard・Bing3つを活用して同様の意図で調べた結果どう表示されたか、その紹介と同時に今後のSEOへの影響を考えてみます。

対話型AIに質問をした結果

対話型AIのChatGPT・Bard・Bingを活用し以下のプロンプトでの結果を調べてみました。
※2023年5月現在の結果

  1. 横浜でお勧めの引っ越し会社を教えて
  2. 選択した根拠は?
  3. 選択するにあたり、参考にしたサイトは?

少し長くなりますが、それぞれのAIの回答を1. ~3.の項目ごとに紹介します。

ChatGPTの回答内容

1.横浜でお勧めの引っ越し会社を教えて

横浜でお勧めの引っ越し会社として以下のいくつかを挙げることができます。ただし、最新の情報を確認するために、引っ越しの際には各会社に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

アート引越センター:国内最大手の引っ越し業者であり、横浜でも高い評価を得ています。幅広いサービスと経験豊富なスタッフを持っており、信頼性が高いです。

ヤマト運輸の引越しサービス:日本国内で非常に有名なヤマト運輸が提供する引っ越しサービスです。信頼性と効率性が高く、横浜エリアでも幅広いサービスを提供しています。

日通(佐川引越センター):日本通運(ニッポンツウン)が提供する引っ越しサービスで、横浜でも多くの実績を持っています。繊細な家具や貴重品の取り扱いにも長けています。

サカイ引越センター:創業50年以上の歴史を持つサカイ引越センターは、品質の高い引っ越しサービスを提供しています。丁寧な作業と迅速な対応が特徴です。

サカイ・ライン:横浜で地域密着型の引っ越しサービスを提供しています。地元のスタッフが親切かつ迅速な対応を心がけており、顧客満足度が高いです。

これらの会社は、横浜での引っ越しにおいて幅広いサービスと高い評価を持っていますが、個々のニーズや要件によって最適な会社が異なる場合もあります。引っ越しの際には、複数の会社と見積もりやサービス内容を比較し、自身の条件に最も適した会社を選ぶことが重要です。

2.選択した根拠は?

私が横浜でお勧めの引っ越し会社として挙げた根拠は以下の通りです:

アート引越センター:国内最大手の引っ越し業者であり、長年の実績と信頼性があります。口コミや評判も良く、幅広いサービスを提供しています。

ヤマト運輸の引越しサービス:ヤマト運輸は日本国内で非常に有名で信頼されている物流企業です。その信頼性と効率性が、引っ越しサービスにも反映されています。

日通(佐川引越センター):日本通運は物流業界で確かな実績を持つ企業であり、引っ越しサービスも高品質です。特に繊細な家具や貴重品の取り扱いに長けていると評価されています。

サカイ引越センター:創業50年以上の歴史を持ち、品質の高い引っ越しサービスを提供しています。丁寧な作業と迅速な対応が特徴で、多くのお客様から好評を得ています。

サカイ・ライン:地域密着型の引っ越しサービスを提供しており、地元のスタッフが親切かつ迅速な対応を心掛けています。顧客満足度が高く、地域のお客様から支持を受けています。

これらの引っ越し会社は、多くのお客様からの評判や口コミが良く、信頼性の高さや幅広いサービスを提供していることが挙げられます。ただし、最適な引っ越し会社は個々のニーズや要件によって異なる場合がありますので、事前に見積もりやサービス内容を比較し、自身の条件に最も適した会社を選ぶことが重要です。

3.選択するにあたり参考にしたサイトは?

私は訓練時に数億ページ以上のウェブページ、文書、書籍などのテキストデータを学習しましたが、特定のウェブサイトへのアクセスや参照は行っていません。私の回答は、一般的な知識や一般的に知られている情報に基づいています。引っ越し会社のおすすめに関しては、一般的な評判や口コミ、信頼性、サービス内容などが考慮されています。

具体的な引っ越し会社に関する詳細情報や最新の評価を確認する場合には、インターネット検索や口コミサイト、引っ越し会社の公式ウェブサイト、または個別の引っ越し会社に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。これにより、最新かつ正確な情報を入手できます。

ChatGPTは一般的に知られている情報に基づいていると言っています。但し一般的な口コミも考慮していると言っており、ソーシャルメディアなどの影響の可能性も考えられます。

Bardの回答内容

1.横浜でお勧めの引っ越し会社を教えて

はい、喜んで。横浜でおすすめの引っ越し会社は、以下のとおりです。

日本通運
日通
ヤマトホームコンビニエンス
サカイ引越センター
アート引越センター
引越社
アリさんマークの引越センター
ハトのマークの引越センター
日立物流
丸一引越センター
これらの会社は、いずれも知名度が高く、安心して引っ越しを任せることができます。また、料金も比較的リーズナブルで、サービスも充実しています。

引っ越し業者を選ぶ際は、複数の会社から見積もりを取ることをおすすめします。そうすることで、よりよい条件で引っ越しをすることができます。

また、引っ越し業者の口コミも参考にするとよいでしょう。ネットや引っ越し情報誌などで、引っ越し業者の口コミを調べることができます。

引っ越し業者を選ぶ際には、料金、サービス、口コミなどを参考にして、自分に合った会社を選ぶようにしましょう。

2.選択した根拠は?

横浜でおすすめの引っ越し会社を選んだ根拠は、以下のとおりです。

知名度が高い
安心して引っ越しを任せることができる
料金が比較的リーズナブル
サービスが充実している
口コミがよい
これらの会社は、いずれも知名度が高く、安心して引っ越しを任せることができます。また、料金も比較的リーズナブルで、サービスも充実しています。さらに、ネットや引っ越し情報誌などで、これらの会社に対する口コミもよく見られます。

引っ越し業者を選ぶ際は、これらの点に注意して、自分に合った会社を選ぶようにしましょう。

3.選択するにあたり参考にしたサイトは?

横浜でおすすめの引っ越し会社を選ぶ際、参考にしたサイトは以下のとおりです。

引越し侍
引越しラクラク
引越し見積もり.com
引越し比較.com
引越し評判.com
これらのサイトでは、引っ越し業者の料金、サービス、口コミなどを比較することができます。また、引っ越し業者の評判や口コミを投稿することもできます。

引っ越し業者を選ぶ際は、これらのサイトを参考にして、自分に合った会社を選ぶようにしましょう。

Bardは、3で表示されたまとめサイトなどを参考にしていると言っています。まとめサイトに紹介されるとBardの質問内容に具体的な会社名が表示される可能性が高まるかもしれません。

Bingの回答内容

1.横浜でお勧めの引っ越し会社を教えて

こんにちは、こちらはBingです。😊

横浜でお勧めの引っ越し会社をお探しですね。横浜市内の近距離の単身引越しが安い業者ランキングは、以下のようになっています1。

1位:ファミリア引越サービス(平均24,628円)
2位:隆星引越センター(平均28,525円)
3位:ガッツムービングサービス(平均28,804円)
また、横浜に支店がある引っ越し業者としては、アート引越センター2やサカイ引越センター3などがあります。

どのような引っ越しをご希望ですか?単身ですか?家族ですか?横浜市内から市外への引っ越しですか?

1. moving.a-tm.co.jp
2. sumai-kyokasho.net
3. hikkoshi-sakai.co.jp
4. bing.com 

※下段にその他参考用のサイトが表示

2.選択した根拠は?

引っ越し業者のランキングや支店の情報は、ウェブ検索の結果に基づいています 。あなたの引っ越しの条件に合わせて、お勧めの業者をご紹介したいと思います。

3.選択するにあたり参考にしたサイトは?

参考にしたサイトは、検索結果に表示されたものです。 それぞれのサイトは、引っ越し業者の料金やサービス、口コミなどを比較してランキングや評価をしています。あなたの引っ越しの予算やニーズに応じて、適切な業者を選ぶことができます。

Bingは検索結果に表示されたものや口コミを参考にしているといっています。

他のキーワードを念頭に試したた結果

他のローカルSEOを踏まえた質問でも各対話型AIからの回答は同様の傾向にあり、Bingは「3.選択するにあたり参考にしたサイトは?」に関して、検索上位サイトのURLを返してきた例もあり検索エンジン対策がAIの回答にストレートに影響を与えている結果もありました。

対話型AIを踏まえたローカルSEO対策は?

ローカルSEO(地域名を踏まえた複合キーワード)で対話型AIからの回答を多数試す必要はありますが、今回の例で考えると以下は現状ひとつの対策かもしれません。

  • ChatGPT:ソーシャルメディアなど口コミ対策を行う
  • Bard:まとめサイトで紹介される
  • Bing:検索エンジンや口コミ対策を行う
  • ※あくまでも今回の結果に対してのものとなります

Bingはウェブ検索の結果に基づいているといっており、従来通り自社サイトコンテンツの充実を図ることがまだ重要であるとも考えられます。

AIを活用したコンテンツ制作

人間による編集が必要

対話型AIを活用して文章作成も今後益々増えると思われますが、実際にAIに指示を出して自分でテキスト作成を行った感想ですが、プロンプトによって差があると感じます。

前提を踏まえ的確な指示を出すと期待した文章を作成するケースもありますが、SEO観点でまだ精度としては人間によるリライトの必要があると考えます。

事実と異なる内容を返してくるケースもあり修正が必要であったり、当たり障りのない内容でコンテンツとして物足りなさを感じる内容であったり。

Googleは訪問者に満足感を与えているコンテンツを高く評価し、訪問者の期待に応えていないコンテンツとの差別化を図るといっています。

参照:今やChatGPTで記事作成する時代!【SEO上意識すべきこと】

もしAIで文章を生成したとしても人による確認を行い魅力的なコンテンツにする編集作業が必要だと思われます。

対話型AIは今後進歩すると思いますが、現段階ではユーザー側が的確に指示を出す練習やAIを活用する慣れが必要ではないでしょうか。

AI生成コンテンツをGoogleはどう評価するのか

もしAIで生成したコンテンツを公開した場合Googleはどのように評価するのでしょうか。

Googleは「Google には、検索結果を操作するために使用される自動化への対抗策を講じてきた長年の実績があり、スパム対策の取り組みを続けていきます。」と宣言しています。

しかし「AI 生成のものを含め、自動化を利用したコンテンツすべてがスパムであるとは限らない」、「AI は表現と創作の新しいかたちを生み、優れたウェブコンテンツの作成に役立つ重要なツールとなる力を備え」とも言っています。

「コンテンツの作成方法を問わず、Google 検索で成功を収めるには、E-E-A-T の品質を満たす、オリジナルで高品質な、ユーザー第一のコンテンツの制作を意識する必要があります。」としており、経験、専門性、権威性、信頼性のあるコンテンツが重要でAIを活用することを否定していません。

参照:AI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンス

Google

経験に基づいたコンテンツと制作者の情報表示

AIでの生成コンテンツでもE-E-A-Tが重視されると考え、取り組むことが重要と考えるべきではないでしょうか。

実体験に基づいた専門性のあるコンテンツを作成し、書き手がどのような人間なのかプロフィールを掲載する、更にコンテンツ監修者の経歴や実績などを載せ、記事の信頼性向上を図ることでGoogleからの評価を得られる、と考えこれらの情報を記載するなどをSEO対策として実施してみてはいかがでしょうか。

詳細は今やChatGPTで記事作成する時代!【SEO上意識すべきこと】をご覧ください。

参照:E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて

SGE(Search Generative Experience)をGoogle発表

冒頭にふれましたが、2023年5月GoogleはSGE(Search Generative Experience)を発表しました。

欲しい情報を入力するとGoogleが保有する情報からAIが判断した適切な回答をテキストで表示するサービスで、補足するリンクやトピックも表示されます。

検索キーワードではなく、欲しい情報を文章での入力に対し回答をしてくれ、chatを通じ必要な情報をAIと共に探して行く内容。

これまで必要な情報へたどり着くために何度も検索をした流れを大幅に効率化するものでユーザーにとって利便性が増す内容です。

今後、広告表示やSEOの概念、検索体験、購買行動に対し大きく影響を与えると思われます。

いつ日本で運用が開始されるかは現段階では未定(2023年5月現在)。

※SGE参照:Supercharging Search with generative AI

AIを活用する上での注意点

対話型AIを活用する上では注意しなければならない点もあります。

chatに送信した内容はAIの学習に利用されます。

そのため個人情報の送信や企業の機密情報の送信は厳禁であると認識した上での利用が必須となります。

実際にChatGPT、Bard、Bingに「あなたは質問内容をAIの学習に利用しますか?」と質問すると、

ChatGPTは、「OpenAIは、ユーザーの質問や回答を取得し、匿名化および集約化された形でAIの学習に使用することがあります。これは、モデルのパフォーマンスを改善し、より良い回答を提供するために行われる一般的な手法です。」と回答。

Bardは、「はい、質問内容は私のAIの学習に使用されます。私は大量のテキストとコードのトレーニングを受けており、質問内容を理解し、対応することができます。また、質問内容を学習することで、より正確で有益な回答をできるようになり、より多くのタスクを実行できるようになります。」と返してきます。

Bingは、「Bing AIは、ユーザーの質問に回答するために学習を行っていますが、その学習データはユーザーのプライバシーを保護するために匿名化されています」と応えてきました。

※それぞれ2023年5月時点

利便性の裏側も認識しておく必要があります。

まとめ

ChatGPTやBard、Bingなど対話型AIが登場した現在、検索行動の変革期にあると言えます。

今後検索行動の在り方も変化し、SEOへの影響もあると思われます。

対話型AIを活用したことがない場合、ビジネスに取り残される可能性がありすぐに利用してみることをおすすめします。

AIは様々なサービスにAPI連携されるなど身近なものとなり、世の中はAIと共に変化しており、SEOの世界も同様のことが想定されます。

活用して慣れること、変化に対応することが重要です。

この記事が参考になれば幸いです。